2025.10.02
第4回である今回は、三誠AIRシステムについての注意点です。
非常に優れたシステムであるものの、やはり注意事項も存在します。
1つ目としてはやはり故障です。
揺れや停電への備えこそしているものの、やはりシステムそのものが故障してはどうにもなりません。
ですので、三誠AIR断震システムとしては、月に1回のシステム使用を行って頂くよう要請しており、これが建物所有者側のできる定期メンテナンスともなっています。
また、故障につながるため水害にも注意しなければなりません。
2つ目は縦揺れへの対応です。
といいますのも、横揺れを想定して作られているシステムであるため、縦揺れに対して全く同じ効果を得られるかは定かではないのです。
ですがこれに関しては有効性がない、という話ではなく、少なくとも空気によるクッション性は確保される為、対策をしないよりも圧倒的に有用ではあるのです。
3つ目はRC造に向かない点です。
基本的に木造建築を主眼にしているのは、重心が下部に集中しているために浮上した際バランスを保ちやすいからです。
逆に言えば建物全体で重心の位置が変わらないRC造ですと、いくら20mm程度とはいえ浮上した際の危険性が看過できないのです。
どうしてもRC造でシステムの採用を行いたい場合には、三誠AIR断震システムとの相談となります。
4つ目対応面積についてです。
対応面積には限界があり、「建築面積300㎡以下且つ基礎スラブ面積300㎡。3階まで対応可能で延べ900㎡」です。
しかし面積以外にも建築物重量の制限があるので、現実的には900㎡以下になるかと思われます。
5つ目、これが最後ですが基本的に新築への対応となる点です。
基礎から携わってくるシステムである関係上、リフォームでの適用は難しくなります。
不可能ではなく、20000mmのジャッキアップを行い作業する、或いは建物をそのまま移動させての作業という2パターンもありますが、かかる費用を考えると立て直した方がよいかと思われます。
以上が注意点です。
長くなりましたが、これにて三誠AIR断震システムに関する寄稿は終了です。
株式会社愛青では是非、この三誠AIR断震システムを施工したいと考えておりますので、少しでも興味を持っていただければ幸いです。
2025.09.24
三誠AIR断震システムについて、第3回となる今回は外からではわからない、内側の紹介です。
というものの、施工後変わる内観といえば本来一箇所だけで、それが下の操作盤です。

これを使用し、通常メンテナンスとしてのシステム稼働等を行います。
そこまで大きいものではないので、もし気になるようでしたら目立たないようにするのは比較的容易なのではないでしょうか。
しかし完全に隠してしまうとよろしくありません。
その理由は下の写真を御覧ください。

これがカバーを外した状態なのですが、下部に青い電池様のものが目立ちますが、これこそバッテリーなのです。
停電等で外部からの給電がなされない状況下において、バッテリー駆動に切り替わりシステムを使用していく、いわば生命線と呼ぶべきものです。
このバッテリーは三誠AIR断震システムとしては第五世代にあたり、これまでは充電式であったものを、電池式の使い捨てに変更しています。
この電池一回につき一度のシステム使用が可能なので、停電中でも計6回は大きな地震への備えとなるのです。
もし長期間電池の使用がなされなかった場合、8年で交換、ということを推奨しています。。
費用としては2025年時点で1本¥6,000程度+工賃だそうです。
また、交換が必要になった際には操作盤にその旨警告がでるようになっている他、連絡させていただくこともありますので、不測の事態にバッテリー切れで動かない、という最悪の状況は防げるような努力がなされています。


最後はコンプレッサーと内部配線ですが、意外とコンパクトに纏まっています。
コンプレッサーに関してはわかりやすく配置してあるだけ、とのことで、通常は見えない場所に設置するそうです。
内側からは以上です。
次回は注意事項等をまとめていこうと思いますので、またご観覧ください。
2025.09.16
三誠AIR断震システムについてのブログ②です。
今回は外から見た特徴をお届けします。
先ずはシステムにおいて重要なエアタンクです。

モデルハウスでは25~30平米、2階建ての建物でこのエアタンクを3個敷地内に埋没させていました。
続いて、家が浮くに際して必要な、地面と接する箇所に関しての工夫です。
建物が浮上するにあたって、揺れている地面と接する箇所が多いとその分だけその効力は減少してしまいます。

まず玄関ではポーチが地面と切り離されており、浮上の際に一緒に浮くようになっています。

他にも外壁から伸びる配管類も一部をフレキシブルジョイントにすることで、浮上の際に破損を防ぐことができるのです。
そして今回の締めとして、果たしてどの程度建物が浮かぶのか、についてです。

この写真は浮上していない状態で、30mm地点に住宅下部があります。これがどこまで浮くのかというと、システム使用時にはおおよそ50~55mmまで浮上するのです。
上昇幅が少ないように感じますが、地面と接することがなければ揺れを感じにくくなるので必要にして十分というわけです。
浮上後は2~3分程かけてゆっくり地面に戻っていくので、衝撃があったり、駆体損傷の可能性といったものはありません。
今回の外観から見る三誠AIR断震システムは以上です。
次回は内側からの様子等をお届けしていきます。
2025.09.08
こんにちは、株式会社愛青です。
地震について、直近の大型地震では能登半島地震。起こり得る可能性が示唆され続けているところでは南海トラフ地震が記憶に新しい方が多いかと思います。
この記事を書いている小職においては、3.11時点で栃木県県央部にいたため強い揺れに晒され、鮮烈にその記憶が残っております。
その他にも阪神・淡路大震災や熊本地震、大阪北部地震といったもので強く印象に残っている方も多くいらっしゃると思います。
そういった、命名がなされるレベルの大型地震の直後には必ず防災への備えを強固にしていくべきというニュースや記事、SNSでの発信がなされます。しかしそれも時間経過とともに感覚が薄れていくものです。
そこで本稿の核となるもの、「三誠AIR断震システム」の紹介をさせていただきたいのです。
小職は茨城県つくば市にあります、三誠AIR断震システムのショールームを実際に見学させていただきました。(お盆期間中にもかかわらず快く対応していただき誠にありがとうございました。)
この三誠AIR断震システムを端的に表現しますと、「一定以上の震度の地震を感知した際、空圧で家を浮かせる」というものです。
これまでは建物を頑丈にする耐震、地盤と建物の間に吸収機構を設ける免震、建物内部に吸収機構を設置する制震等がありました。これらは揺れに耐える、或いは吸収するといった形で地震への備えとするものでした。
しかし三誠AIR断震システムは建物を浮かせることで地面と建物を切り離し、そもそも揺れを遮断するという、第四の選択肢、「断震」となるのです。
かなりの長文になりますので、詳しい内容はまた次回。

※茨城県つくば市の三誠AIR断震システムモデルハウス
2025.02.13
ご訪問頂き誠にありがとうございます。
株式会社愛青 代表取締役 木下貴司です。
初めてのブログに挑戦します。
私は建築業界に身を置いてもうかれこれ25年以上が経ちました。
あの頃とは違い、いろんな便利な材料や工法、AI技術等も導入され、建築業界も大きく変わりました。
しかし人々の「家を持つ・家に住む」という事は今も、これからも変わりません。
私たちはそのような人間の変わらぬ大事な暮らしをお手伝いできる事に喜びを感じ、感謝し、末永く住んでいただける様な家を提案していきたいと思っております。
尚、注文住宅からリフォームやリノベーション、幅広く対応しておりますのでお気軽にご相談頂けたら嬉しく思います。
今後とも株式会社愛青を是非、宜しくお願いいたします。
